HACCPには、小規模向けと一般事業者向けの2つがあります。小規模向けと呼ばれているものは50人未満の従業員で構成される工場や飲食店などで、これ以外は一般事業者に相当します。2つに分かれている理由の中には、人数が多い会社と2人だけのお店が同じような衛生管理を行うとなると、人数が少ないので十分な管理が行き届かない、作業に支障をきたしなどのデメリットがあること、小規模向けに作られたものは簡易式になっているので、大きな会社が同じような管理を行うと十分な衛生管理が実現しないなど、規模に合わせたものを取り入れることが必要になるからです。なお、一般事業者向けはHACCPに基づく衛生管理を導入して管理計画を作成した上で導入することになりますが、対象となるのは大規模事業者だけでなく屠畜場や食鳥処理場なども含まれます。
ちなみに、一般事業者向けのHACCPに基づく衛生管理は、コーデックス委員会が作成した7原則12手順に従い衛生管理計画を立てて管理運用をすることになります。ちなみに、12手順の中で省略された5手順は、7手順(7原則)を行うための準備で、具体的には手順1がHACCPチームの編成・手順2:製品説明書の作成・手順3:用途および対象者の確認・手順4および5:製造工程図の作成および確認、以上の5項目です。小規模事業者は、人数がある程度多い場合などでは従来のHACCPの考え方を取り入れた衛生管理をステップアップさせて一般事業者と同等の衛生管理計画を立て運用管理することも可能です。